あんなこと こんなこと(109)

 学校が夏休みに入ったと言うのに町は静かなこと!
ひと昔前なら毎日朝は学校の校庭に生徒が集まり、
ラジオ体操の音楽が賑やかに鳴り渡る。
そして、そこから帰る子供たちの胸にはカードがひらひらし
出席した証拠のはんこうの数が増えて行く。
 家々の周りでは子供達の遊ぶび声がひびきわたり
セミを追いかけて網を持った少年が町をうろうろしていた。


 時代が変わったと言ってしまえばそれまでだが、子供は
エネルギーがあふれており、じっとはしておれないはずだ。
そのエネルギーを今は何処にぶつけているのだろう?
塾に、携帯のメールにぶつけているのだろうか?
そんなことで発散されるはずはない。それがどこかに爆発し
とんでもない事件に発展していると言えないか。


 海に山に出掛けて発散し、真っ黒になって夏休みを終わらせ、
今はやらなくなったが”くろんぼコンクール”なんていうのがあって、
自慢していたものだ。差別と言うことで、こうした言葉を使うのは
と言う如く、なにかと言うと制限された社会になってしまった。
これでは閉鎖された社会になってしまって活気がなくなる。
確かに車社会になり昔と比べて危険が増えたことは事実だろう。
しかしその危険を避けるために子供をかこってしまってよいものだろうか?