あんなこと こんなこと(114)
東京から熊本に住むようになって早いもので30年が過ぎた。今ではすっかり熊本県人に なったつもりでいるが、まだまだ熊本弁はほとんどしゃべれない。仲間は今さらへんな熊本弁を しゃべるからいならしゃべらんほうがよか、と言うので、片言の熊本弁に徹してやって いくつもりだ。 セミしぐれで起こされ、夜はカエルの合唱を子守り歌に、と言う生活だ。まわりの田んぼには 稲が植えられ、秋には新米が友達から届く。人が植えた稲だが生長が楽しみだ。毎日通る田んぼも なんとなく気にかかる。都会生活では味合うことの出来ない環境だ。 魚にしても仲間から「おい!今日はよく釣れたぞ!食べに来い!」と声がかかる。釣りたての 魚を目の前で三枚におろして刺身で食べる、こんな生活をしたら都会へ戻る気はしない。