あんなこと こんなこと(121)

 うだるような暑さが続く夏がやってきた。まだ梅雨は明けていないと言うが
セミは夏セミだし、入道雲は現れているし、夏に違いはなかろう。
 この”うだるような暑さの8月”と言うことになると。私たちの年代は
終戦の8月15日を思い出す。私の場合は昭和20年の8月は東北の
秋田県の山奥の田舎の村に疎開していたが、まさにうだりような暑さの
なかで夜も窓のカーテンは厚い黒いカーテンを閉めているので、より
厚区感じる。それも敵の戦闘機がやってきても何処に家があるかわからない
ようにするために明かりが漏れないようにと、電球の周りにも黒い布を
かぶせ、さらに窓にも黒いカーテンでしっかり明かりが漏れないようにした
生活だから厚さは倍増、とても寝られたものではなかった。


 それが8月15日の終戦の日をきしてすべて取り払われたのだ。子供の私には
当然のことながら漠然としか終戦と言うことはわからなかったが、とにかく
こうした黒い布は取り払われ、部屋が明るくなり、風通しがよくなったことが
うれしかった。都市から田舎に疎開していたので、空襲としういやな体験からは
逃れていたが、周りのみんなが明るい雰囲気になったのだけは覚えている。
負けていた戦争の雰囲気はみんな知っていたのだろう。戦争が終わったと言う
だけで、とたんにこんあ田舎でも明るい雰囲気に変わった。