落第坊主の履歴書(692)
平成20年5月のウラジオストックの旅だが、話に聞くように町は 日本の車であふれていた。それもほとんどが中古車、まだ日本で使って いた当時のままで、車体には”○○パン””○○診療所”などの文字が ついたままで走っている。坂が多いので車でないと行動するのに難儀な 町だ。しかし盗難が多いということで車には非常ベル?とでも言うものが ついており、ドアーを開けるとやたらと鳥の声がしたりうるさい。 初めはかわった鳥が一杯いるみたいでその正体を見つけてきたいと 思ったのだが、ホテルの窓を開けて探るが、なんのことはない、 車のドアーを開けるたびにあちこちで鳥が鳴くのだからたまらない。 アパートでは住民からもうるさいと言われているそうだが、多くの 人が車を持つようになったので他人に言えなくなったしまっているそうだ。 坂が多いというのは長崎みたいなもので、情緒のおある町だ。私は 港に近い高台にあるホテルに泊まったので窓からは港が見渡せる、町を 歩いていてもあちこちから海がみえる、そのかわり5月とはいえまだ 朝、夕は寒かったので風がものすごい、冬の寒さがしのばれるほどだった。 町の大衆食堂へ入ってみたが、安くて結構おいしい食べ物が出ていた。 お客は町に勤めるOL、学生らしき人がほとんどで、その店の窓からは 下にシベリア鉄道が走っており、そんな列車を眺めながらの食事は いいもんだ。 貧富の差は歴然で、高級喫茶店へ入ってみたが、高級取りのOLや 役職付きの叔父さんと思われる人で満員だった。コーヒーにしろ 食事にしろけっこう高い。とても庶民が行けるようなところではないが、 サラリーマン街では日中でも結構賑わっている。それだけ高級取りが いるということだ。