落第坊主の履歴書(694)

 平成20年のロシア・サンクトペテルブルグへの旅はすばらしかった。
歴史と芸術に満ちたロシア第二の都市、運河が巡りまさに水の都そのものだ。
しかし湿地蒂に作られた町だけにビルの沈下がものすごく、町の中心部でも
100年近い間にビルが沈没し、一階だったところが今は半地下になって
いるビルもかなりある。
 もともとピヨドール大帝がヨーロッパ文明を吸収しようとしてつくり
上げた都市だけに落ち着いた雰囲気の町だ。バロック名建築で飾られた
町は芸術の町と言っていいだろう。”北のベニス”と言われるだけあって
のんびり歩きたい町だった。時間がないのでほんの少ししか散策できな
かったのが残念だ。それでも、オープンテラスの喫茶店や、ロシアお菓子の
おいしい店に飛び込み、紅茶とケーキのひと時を楽しんだ。
 

 18世紀、ロマノフ朝のエカリテーナ2世が収集したコレクションを中心に
世界中から集められた絵画、彫刻、発掘品など300万点ものコレクションが
展示されている美術館、1000室以上の部屋があり、そのうちの400室で
美術品を展示しているというが、なにしろあまりにも広くて迷子になりそう。
建物の内装も、元宮殿だけに凝っており時間をかけて見るようにしないと
もったいない場所だ。それを駆け足で見物?  ツアー客の一人が勝手に動き
迷子のなってしまい大騒ぎになると言う事件まで発生した。