ラジオ村・村長の旅日記(014)

 本格的に旅を始めたのは”学割”と言う当時の国鉄のキップが販売されて
いたのがきっかけだ。1年に何枚か正確な数は忘れたが、それを上手に利用
するとかなり遠くに行ける。運賃が半額になるのだから遠くに行く時に利用
した方が特だ。
 最初に思い付いたのは、疎開時代に滞在した群馬県の神津牧場への旅だった。
最近では「クレヨンしんちゃん」の作者」・臼井さんが転落で亡くなられた
荒船山の近くにある牧場だが、当時のコりー犬はどうなっているかを知りたくて
でかけた。すでにその時はもう老衰の時期にかかっていたが、よくぞ覚えていた
もんだというくらい、5〜6年振りの再会だが、尻尾を大きく振って出迎えて
くれた。その後も私が歩く後を追いかけるように付いてくるのには驚いた。

 一番出掛けたのは高校生の頃だったと思う。これも思い出が多い、長野県
軽井沢だ。ここへ行くには当時、関東での有名駅弁”横川の釜めし”があり、
碓氷峠を列車が登る前に、機関車をアブト式のものに変えるためにかなりの
長い時間止まるのを利用して販売されていたもので、おいしいかったことも
あり陶器で出来ている釜を何個集めたことか。

 長期の旅行になるので、ほとんどが夏休みを利用してのものだった。
上高地を起点に、アルプスの山々を縦走したり、上高地そのものでキャンプ
したり、上高地の高級ホテル・帝国ホテルの屋根ウラ部屋(3階にあった)
に泊まったりと、ここにも何回行ったことか。