ラジオ村・村長の旅日記(015)

 決して上手ではないのだがスキー場にもよく出掛けた。これは小学生時代
秋田県の山奥に疎開していた時に学校へ”ゲタスキー”で通っていたので、
スキーを履くことに何の抵抗もなかったし、どんな急な坂でもなんとか
滑り降りることが出来るという自信があったからだろう。
 日常生活においては、急な坂の場合は、スキーの場合斜めに滑って
尻もちをついて足を持ち上げてまた滑る、と言うことを繰り返せば
簡単に降りて行くことができるので、それをゲデンデでやると
みっともないので、私のスキーは山スキーとでもいえるもので、
山越えのツアースキーを楽しんでいた。


 主に出掛けたのは、長野県の万座スキー場(ここは雪質がよかった)から
草津へ抜けるコースで、あとはゲレンデが長く、降りるのみのコースと言う
ことで、山形県蔵王スキー場へ行くことが多かった。ただここは標高差が
かなりあるコースなので、上の雪質と下の方へ降りてくる雪質が違うので
捻挫を起こしやすいコースだったが、どうやらケガすることもなく
結構楽しんできた。これらはすべて学生時代に”学割キップ”を利用しての
旅で、宿も粗末な旅館ばかりを利用していた。今のように旅館の部屋には
冷蔵庫なんかない時代で、ジュースなどの飲みものを窓の外に出しておくと
自然に雪の寒さで冷えると言う仕掛けで、みんなやっており、時と場合に
よってはそれを知っていて、他人の飲み物を盗むなんていう悪さを
やっていた。当然自分たちのものも逆に盗まれることもたびたびあった。
そんな時代だったのだ。