ラジオ村・村長の旅日記(019)

 昭和34年の社会人になってからの初めての海外取材は香港だったが、
街中の銀行の入り口には拳銃を持った男が警備をしているのには驚いた。
そしてベンツのタクシーが当たり前と言うのも。空港から市内まで
ペイペイの会社員が黒塗りのベンツで、日本では考えられない光景だ。
 たまたま親父(おやじは海外勤務が多かったので、香港にも知り合いが
いたので)の紹介で現地の人に会うようにと言う事で会ったはいいが
大変なご馳走になり、毎日中華料理は飽きただろうと言う事で
久しぶりに寿司はどうかと言う事で寿司やは招待されたのだが
その寿司のおいしかったこと、よく聞いてみたら、そこの店は
最高級の店で毎日飛行機で東京・築地に市場から魚を取り寄せる
そうで、新鮮な魚の刺身なので味は格別だったのだ。ちなみに
寿司一人前はいくらですか、と聞いてみたところ、驚いたことに
私の月給が1万円の時に3万円と言うではないか!そんな寿司を
ご馳走になってしまった。

 貧富の差がいかに大きいかを、こうした行動をしてみて初めて
知った。前にも書いた通り町にはストリートチルドレンが
あふれているのに、一歩ではこうした高級料理屋に通う種族も
かなりいる、高級ブテイックのウインドーはライトが輝き
高級住宅地にはゲートがあって住民しか入れない。そこは
高台の一等地で、見晴らしもよく、木々も茂り、ゲートには
やはり拳銃を持った警備員が車に乗っている人をいちいち
チェックしていた。その中の住宅にも招待されたが、庭には
プールがあり、テニスコート(硬式だが)まであった。