ラジオ村・村長の旅日記(021)
昭和34年の海外取材は香港のほかに台湾も訪れた。最初に香港に雪 帰りに台湾に立ち寄ったのだが、ここの空港で異様な光景に出くわした。 なんと飛行機のタラップを降りたら、その下に絨緞が敷かれており、 その量側になんと憲兵が銃をもって迎えるという厳重警戒なのだ。 当時は考えてみると、台湾は中国(中華人民共和国)と戦争状態で いつ敵が攻めてきてもおかしくない状態だったことは確かで、町の 中もやたらと軍隊の姿が目に付く状態だった。こした体験は戦後の 駐留軍時代と似通った点はあったが、正直言って戦後のそれはあまり 緊張感はなかったが、台湾では緊張感を感じた。 とは言え町中は中国独特の華やかさがあり、赤を始め、やたらと けばけばしい看板が目に飛び込んでくるし、その文字の大きいこと。 これは香港と全く変わらない。その頃はバナナは日本ではまだ 高級な食べ物だったが、台湾ではものすごく安い果物なのだ。ここで ちょっとした事件がホテルで起こった。