ラッジオ村・村長の旅日記(044)
ペンション生活もだんだん馴れてきた。ここに滞在していたのは夏も終わり かけていたがまだかなり暑い日が続いていた。フランスではこれくらいの ペンションにはエアコンは付いていない。そんな日のしんや、その日は暑い 夜だったので窓は開けっぱなしで寝ていたら、夜中に雨の音がしたので 窓を閉めようとしたら上の階がやたらと明るいので思わず覗くと 雨ではなく女性が洗濯物を干しているではないか! そのしずくがポタポタと 落ちていたのだ。偶然彼女と顔が会い手を振るではないか、夜中と言うこともあって その日はそれで私も眠かったのでそのままに寝たが、また次ぎの日その音で 目が覚めた。そんな事の繰り返しで彼女と交流をするようになり、彼女が英語を しゃべれるので便利でいろいろと教わるようになっていった。 彼女はポーランドの女の子で夏や休みを利用してフランスに観光で来ている ことがわかった。朝彼女が私の部屋へやってきて話をしたりするのを知って ペンションのおばさんが本来なら英語を話さないはずなのに片言の英語で 「彼女は夜、娼婦をやっているんだよ、あんな女と付き合ってはダメ・・・」 と言うではないか。確かに夜中の洗濯も3時過ぎの場合が多い、そこは 実態を知らないのでわからないが、別に何の関係もないので付き合いは 続けていたが(とにかく便利だったので)それを知ってから、また 私のモーニングのコ−ヒーが冷たくなった。ドアーの外に置く時に 声をかけてくれないのでうっかりすると私が起きるのが遅いとさめて しまうのだ。 その彼女は5日間くらいの滞在だったので、別れの日は自分が作った と言うペンダントをおみやげにもらい、私からは日本から持ってきた 組み立て式の紙のチリ箱をあげたら大喜び、それ以後はコーヒーも 再び熱いものに変わった。