ラジオ村村長の旅日記(045)

 昭和41年のヨーロッパ珍道中の旅だが、そうは言っても一応会社(広告代理店)
からの命令による視察旅行だから、それなりの視察は続行していた。
 一般庶民の生活を垣間見るように心掛けていた。フランスパンを真似して買ったのだが
日本のように紙のくるむと言うことはしない。そのまま腕に抱えて丸出しで家に
持ち帰るのだ。さてどう食べるか、ペンションの叔母さんに聞くとブドウ酒に漬けて
食べるもよし、普通にバターを塗って食べるもよし、いろいろと教わって食べてみた。
ヨーグルトなるものを食べたのもここで初めて食べた。
 また。お菓子なども全て量り売りなのだ。プチケーキに至るまで、一個いくらと
言う計算ではない、量りに載せて目方を量るのだ。これは合理的だと思ったが
日本の風習には合わないようだが、考えてもよいのではと思ったものだ。
 更にデパートで買い物をしても丁寧に包み紙に包むことはしない、現在の
スーパーのように袋に突っ込むだけだ。贈り物にせず我が家への買い物なら
これで充分だと思ったものだ。日本とかなり違う習慣が存在していることを
知り参考になったものだ。やはり国内に閉じこもっていると、それが当たり前
と思っているが、海外に出ると全く違う生活があり、考えさせられる。
ここが今回世界に飛び出した理由なのだから存分にそうした事を学ぶんで帰ら
ねばと思った。さて、そろそろパリを後にしてフランスの第二の都市リヨンへ
向かうことにした・・・・・