あんなこと こんなこと(160)

 その昔は芸は小屋と言われるところで接することになっていたが、いつしか
劇場「と言うものが生まれて、芸人を身近に見て、落語を聞いたり、演劇を
みたり、音楽を聞いたりと言うことがなくなってしまった。
 本来芸人にとっても、お客にとってもお互い刺激になり芸が磨かれたものだが
商売と言う立場から採算を無視するわけにはいかず、小人数の小屋での上演
というものが少なくなり、今日に至っている。
 大都市には小さな小屋が多少存在しているが地方にはほとんどなくなって
しまった。現在私の住んでいる山鹿市にはうれしいことに「八千代座」と言う
小屋が今も存在し立派に活躍しているがこんなところは少ない。
 そんな中で熊本市で38年も小屋がけの落語会を催してきたところが
あった。法泉寺と言うお寺さんの本堂で年に二回今日までずっとやって
こられたというのだからすごい。私もちょっとした縁でそれを知い、去年から
参加させてもらっているが、今回は蝶花楼馬楽師匠の出番で、テレビでも
あまり接することが出来ない落語家の「古典落語」(先生の説明によると
もともと古典落語などと言うのはなかったが新作落語に対して生まれた
言葉だそうで)を聞く機会があり、芯から楽しんだ。お客さんも良い
お客さんで、みんな落語が好きな人ばかりの集まりと言ってもよい人たち
ばかりで、よくぞこうしたお客さんを育てたものだと思った。
  これが本当の文化活動でたいしたものだと思う。文化を育て、文化を
はぐくむと言うことはこういうことだと思う。今後もしっかりと
付き合っていきたいと思っている。