ラジオ村・村長の旅歴史日記(078)

 昭和46年6月中旬の神戸への旅はパンとコーヒーの店を
訪ねる旅だった。コーヒーといえば、港町だけに古くから
店を開いたところが多く、その中でも”にしむら”と言う
のが有名で、三の宮市内に本店があるが、駅前にも
しゃれた洋館造りの店があり、さすがに年配の人が多く
古い店という雰囲気がある店だった。味は抜群で
独特の焙煎をしており、東京・銀座の”パウリスタ”と
並ぶ存在だった。
  もう一つは、吉田 茂総理がよく利用していたパン屋を
訪ねるのが目的だった。当時の吉田総理は神奈川県
大磯というところに住んでいたが、わざわざ神戸の
パンを食べたいばかりに秘書を買いにゆかせたという
曰く付きの店なのだ。
  やっと探すし当てたはいいが既に売り切れで手に
入れることが出来ず、写真も撮らねばならなかったので、
予約をするために一泊せねばならない事になった。
  いざそれを手に入れてみると、同じ一斤のパンなのに
小さいこと!  どうしてかはわからなかったが、しかも
それが当時の値段で2000円近くしたような
気がする。暖かいうちに食べてみようと(店は朝
早くから開けているので)ホテルに持ち帰り
早速その小さいパンを口にしてみたところさすがに
おいしい!  ここばかりではない。当時神戸には
パン屋は一杯あり、それぞれの店の味がありどれも
おいしかった。この二日間は朝、昼、晩、パンを
食べていたが、さすが神戸というだけあって
どのパンもおいしかった。