ラジオ村・村長の旅歴史日記(118)

  昭和50年代は雑誌社の旅のページの仕事を
していたので趣味で出掛けると言うより仕事で
旅に出るという事が多くなっていった。
  7月には静岡県の大井森林鉄道の取材、
11月はやはり静岡県の温泉めぐり、
”団十郎”と言うフオーク歌手の取材で
宮城、仙台市へと言う具合だ。この他
にもこまかく出掛けている。とは言え
趣味もかねているので楽しい取材であり
おまけに取材費が出るのでタダで旅行が
出来ると言うメリットがあり得をして
いる気分だった。
  森林鉄道にしても普通の人が入れない
蒸気機関車の車庫にもぐり込む事も
出来たし、何回も写真の撮りなおしの
ために無料で往復したりと列車を満喫
出来た。
  また、温泉の取材でも、寒くなった季節
温泉の旅にでも出ませんか?と言う企画
なので、伊豆・下田の温泉を、横川、七滝
寒川と三つの温泉をはしごしたりと、
普通の旅ではこんなバカな事はやらない
だろう事を平気でやってきたり、それなりに
楽しみながらの旅の連続だ。
  また、”団十郎”と言う人物の取材では
まだ若いフオーク歌手だったので、人気者
になっていたとは言え、貧乏生活で東北の
田舎町の小屋のような家で一人で生活を
していたが、そろそろ社会はバブルに
浮かれていた時代に、のんびりと自分なりの
生活をし、人気におぼれない若者の姿を
見て、しっかりしているなと思ったり、
取材をしながらわが人生を反省したり
考えさせられる事が多かった。取材を
していなければ、こんな風に立ち止まる
事はないだろうし、考える機会もない。
その意味では貴重な体験をしていたと
思う。