ラジオ村・村長の旅歴史日記(153)

  昭和55年く熊本のRKKラジオの仕事で
牛深市へ取材に行った時のことだ。とにかく
疲れたのでやたらと甘いものが食べたく
なったので、一緒に行ったデイレクターに
町へ饅頭でも買いに行かせて下さい、と
お願いしたら、彼は快く連れて行ってくれ
夜の9時頃だったがまだ開いている店が
結構あったので、何軒かのお菓子やを廻った
のだが、何処の店に行っても目的の”饅頭”が
ないのだ。私が欲していた饅頭は重曹饅頭と
言うやつで、それが食べたかったのだが
ある店では「饅頭下さい・・」と言うだけで
その店の奥さんは奥へ引っ込んでしまうのだ。
4〜5軒廻っただろうか、仕方がないあきらめるか
と思ったが、それにしても「売り切れました」
と言うわけではなく、「ありません」と言う
ではないか!何かおかしいなと思っていたら、
彼(デイレクター)が笑いながら説明してくれた
のによると、九州も南の方に来ると、実は
”饅頭”とは、ローカル弁で女性のあそこの
ことで禁句になっているというではないか!
あまりにも私が饅頭を欲しがるのでやらせて
みようとわざと店に行き反応を見てみようと
私をだしに使って実験をした、と言うのだ。
  私はそんな事など知るはずもないので必死に
探すので店の奥さんも恥ずかしいので奥に
引っ込んでしまったのだ。そんなわけで牛深市
には”饅頭”というものはない。
  これがきっかけで”饅頭のない街”という
番組を後ほど作たりもしたものだ。