ラジオ村・村長の旅歴史日記(159)

  昭和56年8月、話題の”黒川温泉”へ行ってみようと
ラジオのスタッフと出掛けることにした。そろそろ人が多く
集まるようになっていた時期で、どんな具合か調べる事が
目的だった。
  いざ出掛けてみてびっくりしたのは、結構ラジオを聞いて
いる人が多かったと言う事だ。ひなびた温泉という雰囲気で
山合いの谷間という自然の条件の恵まれている所だなと
感じた。宿の部屋から川が眺められ、かすかに川のせせらぎ
の音が聞こえてくるのも心地よく、のんびり出来る温泉で
これだから人が集まんだと感じた。
  まだまだ当時は今のようにしゃれたお店もほとんど
なかったし、こじんまりした飲み屋があるくらいで、
静かに時を過ごすことができる場所だった。時代遅れだから
こその雰囲気でそれが当時の人をひきつけたのだろう。
今やヤングに占領され、都会化されて、その当時の雰囲気
とはだいぶ異なる。時代だけにしかたないのだろうが
私にとってはもう行く必要がなくなる存在になってしまったのが
残念だ。