あんなこと こんなこと(285)
昔の人の知恵と言うのはたいしたものだが、今回 紹介する橋は、熊本県・菊池市(旧旭志村)にある 古い橋の物語だ。 大正時代に出来た橋で、当時は地元の人たちが 労力を提供して作り上げたと言うではないか! 村の記録によると、当時の写真が残っており、 うちのじいちゃんたちが橋をバックに記念写真に 写っているんですよ、と。 当時の建築物でもめずらしい工法で建設された もので、ここにも書かれている通り、RC下路 アーチと言うんだそうだが、鉄筋が通り、 周りをコンクリートで固めた工法が当時としては 珍しい工法だそうで、記念すべき橋なのだ。 この写真の通り”姫井橋”と言う橋だが・・ その昔は子供達がこの橋から下の川に 飛び込んで遊んだそうで、その後、この橋の コンクリートの上に寝転んで体を乾かした そうだ。と言うのもこの川はすぐそばに 源泉があり水が冷たいので泳いでいると 体がつめたくなるので、橋のコンクリート に寝転んで体を暖めたのだそうだ。 さらに、ほとんどの橋は川に対して直角に かかっているが、なんとこの橋は川に対して 斜めにかかっているのだ。と言うのも、 山から切り出してきた木材を運ぶのに その木材が長いので、直角に道路がかかると 当時の馬車が曲がれないので、あえて 斜めに橋をかけ曲がりやすくしたと言う ではないか! 現代の橋にはこうした配慮が欠けているので、 曲がり切れずに事故を起こしていることが 多々ある。どうしてこうした昔の人の知恵を 生かさないのだろうか・・・。