あんなこと こんなこと(11−22)
どこにも凄い文化財があるものだが 今回紹介する”井手”の ”鼻ぐり”と言われる部分は ついこの間の台風まで 流木に隠されていて 気付かれなかった存在だったのだ。 この井手は、現在も 熊本県菊陽町馬場楠から 熊本市大江渡鹿(とろく)まで 約13キロのかんがい水路で 水田を潤しています。 この中でも特筆されるのは ”鼻ぐり井手”と云われるもので 加藤清正が筑造したもので 阿蘇に源を発する白川は 火山灰土壌のためヨナ(火山灰土砂)の 堆積がひどく、 その川から水を引いている 井手の管理が大変で 特にここは地上から井手の底まで 20メートルもあり ヨナを排出するのが大変だったので 鼻ぐりと言う仕組みが考案されたのです。 これがその写真ですが・・・・・ 水力を利用して土砂を次々に下流へ排出する ”鼻ぐり”とは、水流の穴の形が 牛の鼻輪を通す穴に似ていることが 由来と云われています。 その造りは 岩盤を掘削する際に 約2メートル〜5メートル間隔に 幅約1メートル、高さ4メートルの 岩を隔壁として屏風のように残し、 その下辺にカマボコ型の 直経約2メートル強の水流穴を くりぬいたものだそうです。 その岩盤にぶつかった水流は 渦を巻き土砂とともに 次ぎの水流穴から送出されていく仕組み すごいことを考えたものですネ くわしい説明は、この井手公園に 提示されています。 この”鼻ぐり”の仕組みは 全国無類のものであり また、非常に特色があるので 現代においても土木工学の 調査・研究の対象として 学術的にも大いに注目されています。