落第坊主の履歴書(650)

平成9年のイギリス・ロンドンの旅もたっぷり一週間滞在と言う日程で出掛けた。
ヨーロッパと言えば”B&B”と言われるくらい気軽に泊まれる宿としてもてはやされていたものだが、
(ベッド&ブレックフアーストと言うくらい朝食しか付いていない言ってみれば素泊まり宿)
どうしてどうして料金が高くなったこと!
下手をするとビジネスホテルに泊まったほうが設備が良いほど。
こうした宿はほとんどが個人で経営しているので我が家の一部を提供している感じだったが、
今や風呂なしアパートみたいな施設で一泊1万円くらい取る。
日本からの旅行者が値段を吊り上げてしまったようだ。
何泊もして親しく付き合いをすると言うタッチで泊まる事が多かったのだが、
ただ安く泊まれると言うことで利用している間に段々値段が釣り上がってしまったようだ。
私の場合は二軒をはしごしてみたが、そんなに居心地の良い宿ではなかった。これが残念だ。
市の中心部のトラフアルガー広場は観光客が必ず行くところだが、鳩に餌をやるので鳩が集まり過ぎ、
鳩の糞だらけで清掃人は困っていた。
どこの観光地でも同じだろうが困ったものだ。
テームズ川沿いの元倉庫群に出来たしゃれた店はどこの町へ行ってもある施設で
ロンドンらしい雰囲気はなくがっかり、
ロンドンブリッジに登り見学しようとしたら、
料金所で「あなたは老人割引です!」と言われたのにはびっくり、
正確には当時私は63歳だったが老人割引は60歳から、
見事に見抜かれうれしいやら、寂しいやら・・・。
また、フランスでもイギリスでもそうだが、
ヨーロッパの鉄道は行き先別に発着駅が異なり、
それぞれ立派な駅舎があるがこれがそれぞれ建築にこっておりすばらしい。
しかしヨーロスターの出現によって、高速鉄道の駅を付随させたので
一部近代的なプラットホームにしたおかげで
古い駅舎にアンバランスなホームが接ぎたしされていたのにはがっかり。
しかしさすが石の文化圏だけあって簡単には改造出来ないために、
道路にしろ建物にしろ昔のままのものが今も存在している姿はうれしい。
土地の人にとってはやっかいで不便な部分もあろうが
これぞヨーロッパがそこに永久に存在するであろうと思うとうれしくなる。