ラジオ村・村長の旅日記(031)

 菊田一夫作「鐘の鳴る丘」のモデル。シューシャイン・ボーイ(靴磨き)
の取材でシカゴの北、ウイスコンシン州の彼の家に着いてみると、彼は
まだ収入がそれほどではないので、低所得者層が住むトレーラーハウス
バスを改装した家に住んでいた。大型のバスの中を改装してワンウーム
マンションのような作りになっている家だ。彼の家の周りにはそうした
家が10台くらい並んでいる。もちろん電気、ガス、水道、トイレも
ちゃんと付いている。
 家へ着くなり彼は上着を脱いでランニング一枚になったのだが、またまた
驚いた。そのランニングはほころびているのだ。あちこちに穴が開いている。
浮浪者時代の生活が身に付いているせだろうと思われるのだが、彼としては
着れる間は大事に着ようと言うことなのだろうが、テレビの撮影でその様子は
いくらなんでも撮れないので困った。気取りのない生活の様子として撮影
したかったのだが、これだけは遠慮した。
 さて、本題に入るが、彼のお嫁さんが入国出ないと言う事で、生徒たちが
気の毒に思い大統領に直訴したという、その子たちは地元の高校生で、
明るい活発な生徒たちだった。その高校も大きな学校で、直訴した手紙の
原文を見せてもらった。撮影の当日はまだ大統領から返事は来ていなかったが、
カメラの前で彼らは早く実現してもらいたいと訴えてくれた。その様子は
次ぎの日の地元の新聞にトップ記事で掲載され、またまた地元でも話題に
なった。