ラジオ村・村長の旅日記(034)

 本格的な取材旅行は昭和45年に会社勤めをやめてフリーになってから
毎日映画者と言うところから「いでゆアラカルト」と言う全国の温泉
めぐりをする一回5分間のミニ番組の制作を依頼された時からだ。
 話は変わるが、何故か私の場合、仕事をいただく時に「前任者が
亡くなられたので・・・」と言うケースが多かった。読売新聞社の
ラジオ評欄を担当する時も前任者は目のご不自由な方だったのだが、
今回は思いきって若い人を採用したいと言う事で、当時私は35〜6歳
だったと思うが週一回のラジオ評欄を担当させてもらった
 このミニ番組の場合も前任者が高齢で亡くなられたので、急遽
私のところにおはちが廻ってきたのだ。前にテレビのデイレクターを
やっていたのだから突然でもよかろうと言うことらしい。
 依頼を受けて2〜3日後にもう撮影開始だ。なにしろ台本から
書かねばならず、撮影編集、録音とひととうりの事をやらねばならない
ので、かなりの時間がかかる。 
 当時の撮影はカメラマン、女性タレント、私の3人だけでの取材だ。
4〜5回分を3日くらいで撮影すると言うスケジュール、私が担当
するようになった時は東北の温泉巡りからで、福島県の温泉から
始まった。下見もせずに雑誌の記事などを頼りにぶっつけ本番と
言てもいいくらいの撮影日程だった。したがって、土地の人に
聞いて隠れた温泉の情報を手に入れと、その場で下見してよさそうだ
とあんると、その夜、宿に帰ってから突如台本を書いて次の朝撮影
なんていうスケジュールも飛び込む。管理者に連絡を取って撮影の
許可をもらう場合もあり、田舎の場合はその管理者がなかなか
見つからない場合もあり苦労した。