ラジオ村・村長の旅日記(060)

 昭和41年のヨーロッパ珍道中いよいよ振り出しのフランスはパリへ戻った。
とにかく生まれて初めてのヨーロッパ、しかもフアッション事情を視察する
はずだったのだが、現地でもめごとが起こり、スタッフはばらばらになり、
会社と相談した結果、せっかくヨーロッパまで出掛けているのだから、
いろいろと体験して帰るようにと社長から指示があり、思い切っていろいろ
勉強をさせてもらった。これが私の32歳の時の貴重な体験になった。
 テレビ今日から広告会社に転職し、営業を覚えるのが目的だったが、丁度
その頃、広告会社は企画マンを求めており、ヂレクター出身の私としては
番組企画など企画の仕事をしていたので、そちらの仕事にまわされ
スポンサーにいろいろと提案をするセクションのため、今回の旅は
非常に参考になった。
 先日も書いたが、一番の収穫は東レにたいして、キルクのサンダルを
開発してはと、イタリーで見かけた女性用サンダルを改良して日本人向きに
アレンジして発売されたものが爆発的に売れたので、かなりの広告出稿を
いただいた。社長曰く、「これだけでヨーロッパ出張費が出たぞ・・・」
と言うくらい成果があった。
  その他、川を生かした遊覧船のアイデア、動物園のあり方を考えるべきだ
と言う報告など雑誌に紹介してもらい、それが後の私の職業に役立つことに
なるとは思いもしなかった。この時のヨーロッパでの取材写真は参考になる
ものが多かったので、雑誌社、新聞社で採用されこれがきっかけで
旅行記を書く仕事がぼつぼつと入るようになったのだ・・・・・