ラジオ村・村長の旅歴史日記(229)

  平成3年5月、当時の鹿本郡鹿本町の
JAが中心になって、農家と消費者の交流
をはかる意味で、田植え、稲刈りを通じて
仲良くなろうと云う催しがあり、それに
参加した。
  当時米の自由販売が認められ、消費者に
より地域を親しんでもらう、その地域の
米を買ってもらおうと言う魂胆だが私は
疑問に思っていたので、さんかしてみた。
  確かに福岡などから来た家族ずれの
子供達は、泥んこになって田んぼに入り
苗を植えるなんていう体験はした事が
ないのでたのしそうだったし、ことに
よると大人でも稲の苗を身近に見る人は
少ないかも知れないので、こうした
機会を作るのに意味はあると思うが
これでは単なるお祭りで、ただ米を
売るだけより親しみは湧くだろうが、
農家の稲を育てる苦労などはほとんど
伝わらない。やるなら徹底して一年の
計画を立て、田植えから始まって、草
取り、田んぼの見回り、水の温度の管理
なども体験させて、差お後の稲刈りと
全行程を体験させてこそ米の有難みが
わかり、感謝をしながら無農薬のお米
の有難さ、おいしさを知ってもらえる
のではと思うのだ。
  やたらと歓待し作業を遊びのように
しているこのやり方に疑問を持って
帰ってきたのを覚えている。、