ラジオ村・村長の旅日記(024)

 昭和34年、会社勤め(日本テレビ)になって初めての海外出張での
台湾旅行だったので、それにまだぺいぺいの23歳、なるべくなら
庶民の生活を知り、味合ってみたいと思い、接待もそうした所へ
連れていってもらった。台中では、川沿いの屋台で食事を取るのも
よかろうと、まだ夕食時と言ても明るかったが屋台の椅子に座り、
川を眺めながらの食事と言う事になった。
 何を食べたかは忘れたが、食事の途中、ふと対岸の様子を見ていたら、
対岸にも屋台があったのだが、その店の人がバケツを川に落として
水を汲んでいりではないか!  その川たるや、決してきれいな水
ではないのに、その水で皿を洗い、食べ物を作っているのかと
思ったら、とたんに食事が進まなくなってしまった。当然こちらの
店でも同じような事をやっているに違いないと思ったから・・。
 食べ物はすべて火を通したものなので問題はないだろうが
たまたま明るかったので、商売のウラを見てしまいなんとも
言えない心地で夕食を済ますことになってしまった。
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