ラジオ村・村長の旅日記(069)
昭和45年8月お盆の山形への旅は大変だった。お盆という頭がなかった ことが原因だが、たまたま金曜日から時間が取てるので、夏の山形を三日間に 渡って取材そようと考え出掛けたのだ。当時は勿論東京に住んでいたので 出発時はすいすいの旅だったが高速道路もない時代で国道3号線を北に 向かったのだが朝の空気を浴びて気持ち良いドライブだった。 出発は朝8時くりだっただろうか、仙台を過ぎるあたりからそろそろ ノロノロ運転になってきた。いわゆるお盆の帰省ラッシュに巻きこまれたのだ。 携帯電話もない時代で宿には夕方に着くと伝えてあるが、どうしてどうして ついには歩くテンポの運転になった。公衆電話を見つけて電話をと思う のだが、それもない。仮に見つけたとしても一歩車から出たらその流れに 戻るのだけでも大変と言う状態だった。 山形の町の明かりが見えてきたのが9時ころ、しかし町になかなか近ずかない のだ。それから1時間半、10時30分にやっと宿へ着いた。東京から 14時間のドライブ、もちろんラッシュなので車から降りるわけにも行かず たまたま出発の時仕入れてきた菓子パンの残りがあったので、それをかじり かじりの旅でほとんど食事も取ってなかったが、当時のホテルはそんな 時間には食堂も開いておらず、くたびれはててそのまま寝込んでしまった。 お盆の道路がこんなにひどいものだと言う事を実体験した。