あんなこと こんなこと(174)

 久しぶりに福岡県・八女市の”民芸博物館”を訪ねたがあまりにも
すたれていたのにはびっくりした。20年くらい前に訪ねた時は
久留米絣の展示にしろ、人形浄瑠璃にしろ、数々の竹細工にしろまた、
古い農機具なお、昔の八女の生活をしのばせるものが数多く展示され
人形浄瑠璃もちょとした講演があり、お客を楽しませてくれていたが
今回行ってみると、展示室はガラガラ、ほとんど見るものがないのだ。
まさに地方は疲弊しているという現実を見せられたようだった。
  かすかに古い町並みの保存には力を入れているだけあって、白壁
造りの家々が軒を連ねており、街中の喫茶店、居酒屋もそういう
雰囲気を生かした造りになっていたのには関心したが、なにせ、
休日であるにもかかわらずお客はぱらぱらと言う状態だった。
  町の再生とは何か、どうすれば良いのか、どこの町も悩み、その
解決策はどこを同じ方向を向いている。その結果似たり寄ったりの
ものが出来上がり面白味が欠けたものが出来上がる。これが現実だ。
 その上価値が多様化し、大型レジャー施設があちこちに出来て
お客をごっそり持っていかれる、この悪循環がはびこっている。
その大型施設でもお客をなくしている。どうなることやら・・・・・。