ラジオ村・村長の旅日記(071)

 生まれてからこのかたの旅日記を書いているが、昭和45年ころはそろそろ
会社勤めをやめて独立せねばと思っていた時で、当時すでに雑誌社、新聞社などから
取材の依頼がぽつぽつと入っていた時だったので、カメラの腕を上げねばと思って
いた。そこで旅写真ということで、日本全国の特に自然の旅を多くしていた。
 秋の東北もやかろうと、十和田湖への旅をやってみた。青森空港へも一度行って
みたいと思っていたので、今回は空の旅ということで、羽田から青森まで飛行機を
利用した。青森空港は山の上にあるこじんまりとした空港で町にもわりと近い所に
あり、便利だった記憶がある。ここからバスで十和田湖へ、残念ながらまだ紅葉には
少し早い時期だったので、もみじは見ることができなかったが、渡瀬川の流れは
山をどくどくと下っており、岩を蹴って流れ落ちる川の眺めは最高だった。
 カメラの被写体としては絶景で、バスの窓からパチパチとやったが、出来れば
バスを降りて撮影しないとその本当に味は出ない。十和田湖もまだ紅葉にシーズン
ちょと前だったので閑散としており、静かな湖畔を楽しむことが出来た。朝夕は
少々寒いくらいだったので、霧がかかり幻想的な雰囲気をかもし出していた。
カメラの被写体としては絶景で、フイルム(36枚撮り)10本くらい撮っただ
ろうか、こうしてカメラの腕はだんだん上がっていった。とは言っても数多く
撮るのでカラーフイルムでは到底高くて負担できないので、白黒フイルムでの
撮影だ。