あんなこと こんなこと(277)

  その昔は川は道路であり、洗濯場であり、
井戸端会議の場所でもあった。そして船は
まさに今の車であり船着場は賑っていた。
それが車社会になり、川の存在は小さく
なってしまったが、今でもその当時の
面影を残しているところがある。これは
熊本市内・川尻と言う町にある加勢川の
かつての船着場だ。


  向こうに見えるのは手前が鹿児島本線の
鉄橋、奥が新幹線の線路だ。


  ここにかって年貢米を集めるために船が
やってきていた船着場があったのだ。

  
  古くなったので朽ちていたが、それを
地元の有志が修復しようと言うことで
業者がきれいに整備をしているところだ。


  川は当然水量によって船が上下するので
階段を作って対応していたので、こうして
川に沿って13段の階段が作られていた。


  かたや鉄橋を特急が通過するが、ゆったりと
流れる川を見ながら、ここを散策してもらおう
と、この一帯を整備して観光地化している
ところだ。


  川沿いの土手も石垣が築きあげられていたが、
それも修復し、現代的になった船着場が出現
している。


  この春には完成し多くの人が散策するように
なるだろう。ここは夕陽が当たるとより
鉄橋が映えてきれいに見えるところで
夏の夕鈴みにもいいところなのだ。